伊那市議会議員の吉田浩之です。
社会が既得権に反発し始めた背景
今日の日経新聞に「社会は既得権に反発し始めた」という記事がありました。記事では、長期安定政権のもと利益を得る集団や個人と、そうでない人々が生まれ、就職氷河期世代やSNS世代が後者として声を上げ始めたと述べています。その対応策として、既得権の醸成となっている企業団体献金の禁止や家計収支策の構築に取り組むべきだとしています。
企業団体献金の禁止や家計収支策の構築といった、これまで繰り返し言われてきた施策に取り組むだけでは、問題が根本的に解決するわけではありません。しかし、「長期政権が既得権益を生み出す」という記事の前提は、国に限らず地方や他国においても当然発生することです。
長期政権がもたらす二極化と歪み
長期政権は利益を享受できる人々とそうでない人々を二極化させ、均衡ある発展を妨げます。期間が長ければ長いほど、利益を享受する側とのパイプは太くなり、その維持が優先される結果、歪んだ関係が固定化されてしまいます。
こうした社会への疑問や不満の声が高まったのが、昨年の衆院選、都議選、そして先の参院選です。長期政権を支持する人々には、既得権によって利益を享受できる層が多く、それに対する反発が広がったと言えるでしょう。
権力の腐敗と政権交代の必要性
いかに誠実に政権運営を行おうとしても、既得権という大きな利益が付随する限り、長期政権は均衡ある発展から遠ざかり、国民が等しく利益を享受するという理想から離れてしまいます。
戦後70年続いた政権に対し、国民が「ノー」と答えたのは、既得権に対する反発であり、長期政権の利益より損失の方が大きいと気づいたからです。
イギリスの政治家ジョン・アクトンは「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対的に腐敗する」という格言を残しています。権力を握る者は、国であれ地方であれ腐敗しやすく、その腐敗をできるだけ抑えるには長期政権を避けることが最も効果的です。新しい風を入れることで、よどんだ空気も爽やかなものになるのです。
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