伊那中央病院、10億円超の赤字見込み
昨日、伊那中央病院を運営する伊那中央行政組合という特別地方公共団体の議会があり、その際に伊那中央病院の令和6年度の決算の速報値が示されました。
医薬材料費の高騰や人件費の増加、コロナ補助金の減少などにより、10億円を超える赤字が見込まれるという内容でした。
大規模病院においても10億円超の赤字というのは、これからの病院経営を考えれば、「はいそうですか」と素直に受け入れられるものではありません。
表面的な要因では済まされない問題
表面的な原因を挙げるだけでは解決されるものではなく、病院経営の中身にしっかり切り込んでいかなければならない問題です。
伊那中央病院の経営体質に問題があるのか、それとも現在の医療制度や診療報酬など国の制度設計に問題があるのかを分析する必要があります。
組合長である伊那市長は黒字化に向けて取り組むと言っていますが、そのために患者への医療サービスが低下したり、地域医療に過度な負担がかかってしまっては本末転倒です。
地域医療を守るための根本的な議論を
もっと言えば、適切な医療を提供することが病院の第一の目的であり、それを低下させることがあってはなりません。
地域医療を支える大規模病院の経営が苦しいというのは全国的な問題であり、一病院の経費削減程度で解決できるものとは思えません。
組合長のいう「黒字化」というのは、経営改善程度で対応できるような言い方をしていましたが、もっと根本的なところに原因があるように思います。
今後も病院事業の在り方について、経営という視点も含めて研究していきたいと思います。
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