伊那市議会議員の吉田浩之です。
伊那市議会での一般質問の補足
先日の伊那市議会9月定例会の一般質問の中で、時間の都合上、十分に話すことができなかったため、ここで若干の補足をいたします。
新産業技術推進事業と財源の問題
伊那市が取り組んでいる新産業技術推進事業において、モバイル公民館、モバイル市役所などは、代替のもっと経費を抑えられる方法はいくつも考えられるはずです。
しかし、そうした検討も十分になされずに、国の交付金と特別交付税により市の負担が少なくて済むという理由で事業を進めてきたと受け取りました。また、市長答弁では「赤字になっても行っていかなければならない事業である」との趣旨もありました。
行政事務と収益性の関係
地方自治体が行う本来の行政事務は、損益になじまない、むしろ収益性を追求しない分野の事業がほとんどです。そうした意味では、行政事務はすべて赤字になっても行わなければならないといえます。
市町村が行う事務は、法令により都道府県や市町村が処理する「法定受託事務」と、それ以外の「自治事務」に分けられます。この自治事務の多くは、儲からない、収益性のない、あるいは低い事業です。
予算配分に必要な視点
治事務の中で、何に税金等の財源を充てるかは市長の権限によります。しかし、予算の振り分けにおいて「赤字でも必要だと認識した事業は続ける」とする一方で、その必要性を認識できない事業は切り捨てることになります。
ゆえに、財源の使い道は市民の実情や将来への投資という視点も含めて総合的に判断する必要があり、独断的に決めるべきではありません。
市民とのギャップを生まないために
自分が必要だと考える事業であっても、市民への波及効果や行政サービスとしての価値が低いまま進めれば、市民との間にギャップが生じてしまいます。
伊那市が取り組んでいる新産業技術推進事業が、本当に市民にとって福祉の向上や市民サービスの充実につながるのか。その点を多方面からの意見を聞きながら、現市長には進めていただきたいものです。
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