伊那市議会議員の吉田浩之です。
都市部に多い「ペンシルハウス」
ペンシルハウスという住宅を御存知でしょうか。ペンシルハウスとは、都市部の15~20坪(約50~66平方メートル)程度の狭小地に建てられる、細長い住宅を指します。鉛筆のように細長いことからこの名称が付けられたようです。土地価格が高く、住宅を手に入れるには面積を小さくするしかなく、こうした住宅でしか家を持つことができないのが都市部の現状といえます。
伊那市に見られる住宅の傾向
翻って、伊那市を見れば、夫婦と子どもの世帯向け住宅が増えてきています。親は同じ敷地もしくは近くに住んでいながら、自分たちの住宅を建てるわけです。住宅の面積は、30~50坪(約100~165平方メートル)程度のものになります。
これ自体悪いわけではないのですが、そうした面積の家が立ち並ぶ都市というのは、住みたい街とはなりにくいのではないかと考えるのです。そうした住宅は、子どもが巣立てば夫婦二人だけとなり、高齢になった時、つまり終の棲家として住みにくいのではないかとも考えられます。
また、両親の住んでいた昔からの住宅も敷地内や近くにあるわけで、そこが空き家になったままであれば、それも景観として維持していくのは大きな負担となるでしょう。
余裕のある街並みがつくる魅力
つまり、一世代限りの住宅と空き家となった以前からの住宅ばかりでは、街並みの空間に余裕がなく、落ち着いたたたずまいというのは感じられないのではないかと危惧してしまいます。余裕のある街並みというのは、その街に住みたくなる雰囲気を醸し出し、街の魅力を引き立てるのです。
住宅政策と街づくりへの提案
では、現状の住宅や空き家対策をどうするのかと言われるでしょう。反発があることを承知で言わせてもらえば、住宅新築には一定面積の確保を要件とするとか、新築に当たっては既存住宅の将来見通しや空き家となった場合の対策案などを提出させることも考えられます。道路幅と住宅の面積要件を持たせるだけで街の雰囲気は随分と変わります。
魅力ある街には自然とその街にあった人が住むようになるものです。街の景観がまちづくりの絶対要件と言えます。
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