不登校児童数の増加という現実
不登校児童が増加しています。文部科学省の調査によれば、2024年の時点で小中学生の不登校児童生徒数は約35万人に達しており、これまで増加傾向が続いています。また、10年前に比べるとおおよそ3倍近くになっており、その変化は注視しなければならない状況にあります。
また、その一方で少子化も進んでいます。現在14歳にあたる2010年生まれの子どもは約107万人で、10年前に比べて1割ほど減少しています。つまり、子どもの数が減る中で、不登校の割合が相対的に高まっているということになります。
背景にある社会構造と生活環境の変化
不登校児童数の推移を見ると、2020年以降に増加が目立ちます。新型コロナウイルス感染症の影響が一定程度あったことは確かですが、それはただのきっかけに過ぎず、背景にはこれまでの家庭や地域における社会構造や生活環境の変化があるのではないでしょうか。
不登校は、病気や経済的理由などを除き、年間30日以上欠席した場合と定義されています。理由としては、いじめなどの明確な要因が思い浮かびますが、近年は「人間関係に疲れる」「集団生活が負担に感じる」といった、より曖昧で内面的な理由も少なくないようです。これは、共働き世帯の増加や一人っ子世帯の広がりなど、家庭や地域でのコミュニケーションのあり方が以前と変わってきていることが関係しているのかもしれません。
集団経験と社会とのつながりをどう育むか
自分が一緒にいて居心地の良い特定の友達とだけ付き合い、それ以外は避けるという状況もあります。それはそれでよい面もあります。しかし一方で、学校は自分で選んだ集団ではなく、多様な価値観を持つ子どもたちが集まる場です。一定のルールや指導がある中で、子どもによっては居心地のよくない場所と感じることもあるでしょう。集団になじめない状況が続けば、学校生活そのものに抵抗を感じたり、登校しにくくなったりすることも理解できます。
こうした経験を十分に積まないまま、自分の中で整理できない状態で成長した場合、社会との関わりが難しくなる可能性もあります。新卒者の早期離職が一定数ある背景には、こうした組織や集団への適応の難しさが関係している場合もあるのではないでしょうか。
不登校対策と言われますが、即効性のある解決策は簡単には見つかりません。ただ、幼少期から人と関わり、時には失敗を経験しながら人との関係性を学ぶことの大切さを、改めて考える必要があると思います。不登校を個人や家庭だけの問題とせず、社会全体の変化として受け止め、丁寧に向き合っていくことが求められているのではないでしょうか。


コメント