ふるさと納税と地方自治
年末になり、例年のようにふるさと納税の駆け込み申請が多くなる時期となりました。 総務省の発表では、昨年度のふるさと納税の寄付総額は1兆2,728億円となり、過去最高を記録しています。また、今年度は制度改正があり、10月からふるさと納税の仲介サイトでのポイント付与がなくなることから、9月に駆け込みがあったことで、更なる寄付総額の記録を更新することでしょう。
返礼品重視へと変化した寄付者の意識
今更ふるさと納税についてそもそも論を言っても仕方ありませんが、寄付者の思いは当初目指したものと大きくかけ離れていることは周知のとおりです。 地域を応援するという思いよりも、返礼品として何があるのかという点に寄付者の関心が向いており、返礼品が寄付額を左右するという状況になっています。
これ自体、良い悪いという以前に、事実として自治体は少しでも多く寄付をもらうという目的のためだけに返礼品をそろえているのであり、何が寄付者の琴線に触れ、多くの寄付をもらえるのかということに集中しているのです。
行政に求められる役割とは
何が寄付者に受けるのかという点は、何が商品として売れるのかという商売と同じで、マーケティングや商品開発といった取り組みを行わなければ、継続して寄付額上位の自治体であり続けることは難しいでしょう。
商品開発やマーケティングが本当に行政の仕事でしょうか。これは大いに議論するべきところです。しかし実際には、寄付の奪い合いにばかり終始してしまい、そうした本質的な議論はほとんどされていません。
地方自治の本質とまちづくり
これは地方自治の本質とは大きくかけ離れており、お金にばかり目が向き、住民サービスという行政本来の役割をきちんと果たしているのかと疑ってしまいます。 本来の目的である住民の福祉の向上にこそ自治体の本旨があり、それを疎かにするようでは、魅力あるまちづくりはできないでしょう。結果として、そうした自治体こそが消滅していくのだろうと思います。
地方自治のあるべき姿を見いだせず、ふるさと納税の成果に一喜一憂している自治体では、魅力あるまちづくりはできないと言えます。 目先のことにとらわれすぎる自治体であっては、住民のための自治体とは言えません。残念です。


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