話題になる頃には、すでにピークは過ぎている
ニュースや新聞で話題になる頃には、すでに流行のピークを過ぎている——そんなことはよくある話です。
今年の初め、石破首相や政府関係者が伊那市の新産業技術の取り組みを視察し、その後、国会でも取り上げられるなど、伊那市の取り組みは「素晴らしい」ともてはやされました。
しかし、技術は日々進化しており、いかに先進的であっても、それが「いつまでも最先端」とは限りません。
モバイルクリニックも時代に取り残される可能性
たとえば、伊那市が約4年前から取り組んでいるモバイルクリニックは、当時としては最先端の技術を活用した試みでした。
しかし現在では遠隔診療の技術がさらに進化し、10人乗りのワンボックスカーを使わずとも、スマホ1つで診察ができるようになりつつあります。これにより、車が入れないような場所でも医療サービスを提供できるようになります。
つまり、伊那市のモバイルクリニックも、近い将来にはより使い勝手の良い技術に取って代わられる可能性が高いのです。
地方自治体に求められる本来の役割とは
伊那市が「自治体のリーダー」としてあり続けるためには、常に最先端を追い続ける必要があります。しかし、それは同時に、常に流行を追いかけ続けなければならないということであり、市民にとって「素晴らしい行政サービス」とは必ずしも言えません。
こうした技術の導入よりも、市民が「今、本当に必要としているサービス」に取り組むことこそが、行政の本来の役割だと考えます。
最先端の技術を追求したり、広めたりするのは、本来は企業や政府の研究機関の役割です。地方自治体にとって最も重要なのは、市民の生活を安定させ、安心して未来に夢を持てるようなサービスを提供することに力点を置くことではないでしょうか。
今日はこれまで。
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