コメ問題について

コメ価格をめぐる新大臣の発言

前農水大臣の発言や新大臣の発言など、週末はコメ問題でにぎわっていましたので、自分なりにコメ農家として書かせていただきます。
新大臣が「コメの価格を2,000円台にする」と言われました。「なるほど消費者は喜ぶよなあ」と思う一方で、コメを作る農家の減少には拍車がかかるでしょう。今の米価でやっとぎりぎりやっていけるという農家ばかりなのに、5キロ2,000円になったら再び赤字に転落です。

数十町歩もの大規模農家なら何とかやっていけるかもしれません。しかし、小規模で細々と生産している農家は、年齢と共に廃業していくしかなく、後継者はいません。大規模農家が請け負えばいいじゃないかと言われるかもしれませんが、大規模にやっている農家でも、現状を何とかやり繰りしているのがほとんどで、新たに増やしていこうという農家はごく少数です。その理由は人手不足。大型機械をオペレートできる人がいないからです。

小規模農家と流通システムの課題

日本の農家の8割は家族経営のような小規模農家です。しかも高齢者がほとんどと言っても過言ではありません。そのような状況ではこれから先のコメ生産者は減るばかり。後継者もいなければコメの生産量もおのずと減っていきます。

JAが悪者になっていますが、確かに地元のJAは営農、稲作指導に力を入れているとは言えません。それでも小規模農家はコメの販売、いわゆる営業などできないため、JA頼みになるしかないのです。安定的に買取販売をしてくれる事業者が他にはないのです。個人でなどできるわけがないのですから。

だとすると現在の流通システムを根本的に変えなければなりませんが、そんな大規模な仕事を継続的に、コメの生産が続く限り請け負ってくれる事業者が現れないかぎり、流通システムを変えることはできません。であるならば、現状のシステムを効率的に活用していく方法を検討すべきです。

夢を持てる農業にするために

コメ問題は簡単には解決できませんが、誰か悪者を仕立てて、その責任にすれば解決できるというものでもありません。農業が職業として経営的にもやっていけるような、夢や希望の持てる職業となるために国を挙げて取り組んでいかなければならないことと言えます。この答えについては、いずれ近いうちに提案をしたいと考えています。

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